こちらは、藤野征一郎さんの敷板。小さめの敷板ですが、陰影の中に、こちらが吸い込まれていくような奥深さがあり、思わず、自らその光と影の奥の方に入っていきたいという衝動に駆られます。光に触れる度に、黒の質感や時折光る箔の輝きが変化し、絵画のようにずっと眺めていることができます。"作品"というと、日常の暮らしの中に取り込むには、贅沢と思う方がもしかしたらいるかもしれませんが、こちらは、是非毎日使ってほしい道具です。お客様をお迎えする時、自分で静かにお茶を入れる時。いいものを一枚だけでも持って、落ち着きのない日々から開放され、時間の経過と美味しいひとときを過ごしてみてはいかがでしょうか。
▲一人分のお茶タイムのセットを乗せるのにちょうどよいサイズです。
▲藤野さんは素敵なお箸も制作されています。
※写真のものと色味など異なる場合がございます。
ご希望の方は写真をお送りいたしますので、メールにてその旨ご連絡お願い致します。
【作家 藤野征一郎より】
漆工芸の魅力とは、その技法に関わる各々の素材の特性を生かし自らの手で造形できること、そしてその多様な技法によって生まれる豊かな質感の表現だと思います。伝統的な漆工芸の素材は多くが有機物を使用し、またほとんどすべての行程を人の手で行うことから、制作することは自然や生命を創出するかの様な感覚を抱きます。この造形表現や質感表現を追求していくなかで、私は素材そのものが生きている様を表現したいと考えています。
私の作品は、主に木材等による胎の上に漆芸の伝統技法に基づいた表面仕上げを施しています。
漆の塗膜は、隠蔽力がとても弱い特徴があります。そのことから私は漆というものが「透明」であることを意識するようになりました。 もちろんそれは視覚的な意味ではありません。通常30回以上の行程を繰り返してできる漆の表層から、独特な透明感が体現されていることに気付いたのです。
私はこの透明感を解り易く伝えたいと考えました。そこで木彫と漆艶との構成、すなわち質感の対比に注目しました。木材の彫刻加工および表面仕上げにおいても、独自の試みを行ってきました。
伝統的な漆芸技法は有機物を素材に扱い、またほぼすべての行程を人の手で直接的に行うことから、生命を創出するかのような感覚を抱きます。木材を彫刻した質感は胎の存在を現し、窺い見ることのできない物体の内部を暗示しています。そしてそれが漆を深く塗り込んだ表層である外部と密接に絡み合っていることもまた、生命を創出する感覚を私に抱かせるのです。
私は木彫刻と漆芸の技法によってできる造形表現や質感表現を追求していくなかで、素材そのものが生きている様を表現したいと考えています。
I finish the surface of my work using a traditional Japanese lacquering technique called Urushi.
Each layer of Urushi has a low opacifying strength. I started to pay attention to the transparent nature of Urushi when I saw a unique clarity emerge after a repeated coating process (which usually requires over 30 layers).
In order to express this transparency in the best way possible, I experimented with the carving and finishing process in my own way. I turned my attention towards the contrasting textures between the wood base and the finish.
The use of organic materials in this traditional method gives me a feeling of creating life. The texture of carved wood express conception, hinting at the inner core of an undecipherable object, closely amalgamates with the outer layer thoroughly covered in Urushi.
I pursue the expression of form and texture, through wood carving and Japanese lacquer art, with the aim to represent the materials as they truly are.
FUJINO Seiichiro/藤野征一郎
商品説明
藤野征一郎さんの敷板。小さめの敷板ですが、陰影の中に、こちらが吸い込まれていくような奥深さがあり、思わず、自らその光と影の奥の方に入っていきたいという衝動に駆られます。光に触れる度に、黒の質感や時折光る箔の輝きが変化し、絵画のようにずっと眺めていることができます。"作品"というと、日常の暮らしの中に取り込むには、贅沢と思う方がもしかしたらいるかもしれませんが、こちらは、是非毎日使ってほしい道具です。お客様をお迎えする時、自分で静かにお茶を入れる時。いいものを一枚だけでも持って、落ち着きのない日々から開放され、時間の経過と美味しいひとときを過ごしてみてはいかがでしょうか。
商品仕様
製品名: | FJ001藤野征一郎 市松敷板 S 大柄(黒・黒箔) |
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メーカー: | 藤野征一郎 |
外寸法: | 幅240mm × 奥行220mm |